損益分岐点を下げて利益を増やす方法を知りたいな
こんな疑問にお答えします
この記事の内容
- 飲食店の損益分岐点とは
- 飲食店では損益分岐点を知る理由2つ
- 損益分岐点の計算方法
- 利益を増やす方法(損益分岐点を下げる方法)4選
この記事の信頼性
店長の経験が10数年あります。
これまでのぼくの経験を交えて解説します。
この記事では飲食店の損益分岐点について解説します。
損益分岐点を下がる方法も解説しますので実践すればあなたのお店の利益が増えますよ。
この記事は3分でサクッと読むことができます。
飲食店の損益分岐点とは
損益分岐点は売上と経費が等しくなる売上高をいいます。
出典 make smilesより
損益分岐点を上回ると黒字になり、下回ると赤字になります。
飲食店ではとても大切な指標ですよ。
飲食店では損益分岐点を知る理由2つ
飲食店では損益分岐点はとても大切な指標です。
損益分岐点を知る理由2つは下記です。
飲食店で損益分岐点を知る理由は下記の2つ
- お店の経営状態を知ることができる
- 毎月の売上目標を明確にできる
1.お店の経営状態を知ることができる
損益分岐点を知るとお店の経営状態を知ることができます。
経営状態を知るとは今黒字なのか赤字なのかが分かるということです。
もし今損益分岐点から赤字だとわかれば、「売上を取りに行くのか」それとも「経費を減らすのか」などの施策を打つことができますよね。
損益分岐点を知るとお店の経営状態が分かりますよ。
2.毎月の売上目標が明確になる
損益分岐点を知ると毎月の売上目標が明確になります。
損益分岐点を越えれば黒字になるので、いくら売上を上げれば黒字になるのかが分かります。
たとえば損益分岐点が200万円だとすると毎月の売上目標はこんな感じで計画することができます。
月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
売上目標 | 280万円 | 170万円 | 220万円 | 200万円 | 270万円 | 170万円 | 230万円 | 280万円 | 190万円 | 180万円 | 170万円 | 280万円 |
平均すると220万円になります。
飲食店の売上は季節によって変わりますので毎月の売上目標は変わりますよ。
単月では赤字になるかもですが、1年間でみると損益分岐点を超えているので黒字になります。
毎月の売上目標が明確になると、1ヶ月の目標金額を営業日数で割ることで1日あたりの売上目標が導き出せます。
毎日の売上目標がはっきりするとモチベーションが高まり、売上目標を達成するために自然といろいろな工夫をするようになりますよ。
損益分岐点の計算方法
損益分岐点の計算方法は下記です。
損益分岐点の計算方法
損益分岐点はこのように計算します
たとえば固定費が45万円、変動費が124万円、売上が170万円の場合なら
450,000÷(1-1,240,000÷1,700,000)=1,666,666円になります。
損益分岐点を計算すると毎月の収支を確認できますよ。
現状の数値を知ることで売上を上げればいいのか、変動費を減らせばいいのかなど改善するところが分かりますよね。
固定費と変動費
損益分岐点を計算するには固定費と変動費を知ることが大切です。
固定費と変動費が変われば損益分岐点が変わるからです。
固定費
固定費は売上の変動に関係なく毎月一定額がかかる費用です。
飲食店の主な固定費
- 家賃
- 社員人件費
- 固定資産税
- リース料
- 減価償却費
●固定資産税
固定資産税はお店の内装工事や10万円以上の機器(冷蔵庫など)を購入した場合にかかります。
●リース料
リース料は冷蔵庫やシンクなどのリースにかかる費用です。
●減価償却費
減価償却費とは数年分の価値を持っている固定資産(冷蔵庫など)を対象期間中にいくら分使ったかを、金額に置き換える計算ルールのことです。
具体的には下記です。
120万円の冷蔵庫を購入
冷蔵庫の法定耐用年数:6年(機器によって法定耐用年数は違います)
毎年の減価償却費は120÷6=20万円
6年間の減価償却は毎年20万円ですが、7年目からはゼロになります。
変動費
変動費は売上によって毎月変わります。
飲食店の主な変動費
- 食材原価
- アルバイト人件費
- 水道光熱費
- 販売促進費
変動費、特に原価とアルバイト人件費の管理は飲食店にとってとても大切です。
変動費を下げれば、損益分岐点は下がります。
つまり赤字になりにくくなるということですよ。
変動費を下げる方法はこのあと解説しますね。
利益を増やす方法(損益分岐点を下げる方法)4選
利益を上げる方法4選は下記です。
利益を上げる方法4選
- 固定費を下げる
- 変動費を下げる
- 客単価を上げる
- 客数を増やす
ひとつずつ解説しますね。
1.固定費を下げる
固定費を下げて利益を増やしましょう。
固定費が下がれば損益分岐点が下がり利益が増えますからね。
飲食店の固定費には下記のものがあります。
飲食店の主な固定費
- 家賃
- 社員人件費
- 固定資産税
- リース料
- 減価償却費
家賃
家賃は長期入居を条件に大家さんに値下げを交渉すると家賃が下がるかもです。
減価償却費
減価償却費は耐用年数が過ぎればゼロになります。
普段からメンテナンスをして長く使えるようにしましょう。
ただ固定費は毎月一定なので下げる方法があまりありません。
まず取り組むべきは変動費を下げることです。
2.変動費を下げる
変動費を下げて利益を増やしましょう。
変動費が下がれば損益分岐点が下がり利益が増えますからね。
飲食店の変動費は下記のものがあります。
飲食店の主な変動費
- 食材原価
- アルバイト人件費
- 水道光熱費
- 販売促進費
食材原価
原価を下げるポイント
- 在庫管理
- ロス管理
- 検量
- 棚卸し
原価は売上に対して30%を占める大きな変動費です。
割合が大きいので減らすことができれば赤字になりにくくなりますよ。
原価管理についてくわしく知りたい方は下記の記事で解説していますので参考にどうぞ。
≫ 今日からできる! 飲食店の原価管理4つの方法
アルバイト人件費
アルバイト人件費を下げるポイント
- ムダな時間がないか確認する
- ムダな時間を見直してたシフトを作成
- アルバイトとのコミュケーションをしっかりと取る
人件費も原価と同じく売上に対して30%を占める大きな変動費です。
アルバイト人件費を減らすことができれば赤字になりにくくなります。
ただ減らし過ぎはダメですよ。
営業に支障がでますし、アルバイトがやめるかもです。
アルバイトの人件費を下げる方法についてくわしく知りたい方は下記の記事で解説していますので参考にどうぞ。
≫ 飲食店の人件費管理 困ったとこきはこれ!
水道光熱費
水道光熱費を下げるポイント
- 電力会社を見直す
- LED照明に切り替える
- 節水コマを使う
水道光熱費を減らすことができれば利益が増えます。
水道光熱費の削減は積極的に行いましょう。
水道光熱費を下げる方法についてくわしく知りたい方は下記の記事で解説していますので参考にどうぞ。
≫ 飲食店の水道光熱費の適切値と減らす方法3選を解説【今すぐできます】
販売促進費
販売促進費のポイント
- 効果がない販促をやめる
- 無料でできる販促を試す
- 効果の高い販促を行う
販促は無料でできるものもあります。
販促は集客に効果があるものを選びましょう。
販売促進・集客についてくわしく知りたい方は下記の記事で解説していますので参考にどうぞ。
≫ 【やらないと損する】飲食店の新しい集客方法7選を解説します
3.客単価を上げる
客単価を上げて利益を増やしましょう。
つまり売上を上げていきましょうということです。
客単価を上げる方法は下記です
客単価を上げる方法
- メニューを変える
- サイドメニューを売る
メニューを変える
今までの商品に少し高い商品を追加して客単価を上げましょう。
こうするとたとえば、今まで700円前後のメニュー構成だったものが800円前後のメニュー構成へと変更できます。
客単価アップになりますね。
ただ少し高い商品の注文があれば問題ないですが、少し高い商品が売れないと客単価アップにはならないです。
商品を作るにも時間がかかりますし、コストもかかります。
ましてや売れるかもわかりません。
メニューを変更するときは慎重にしましょう。
サイドメニューを売る
サイドメニューを売って客単価を上げましょう。
サイドメニューを売るにはおすすめしましょう。
ファストフードへ行くと「ご一緒にポテトはいかがですか?」なんてことはよく聞きますよね。
それです。
やり方はアルバイトを数名に分けてチームでサイドメニュー販売を競わせるというものです。
アルバイトとのコミュニケーションが取れていれば効果ありますよ。
今すぐにできますのでよかったらやってみてください。
4.客数を増やす
客数を増やして利益を増やしましょう。
客数が増えれば売上が上がりますからね。
お客さんは「新規」か「リピート」かに分かれます。
リピート客: あなたのお店に何度も来たことのあるお客さん
新規客を増やす方法
新規客を増やすにはあなたのお店を知ってもらわないといけません。
あなたのお店を知れば来てくれるかも知れませんよね。
あなたのお店を知ってもらう方法は下記です。
新規客を増やすためにできること
- SNSで発信する
- お店の前に看板を置く
- イベントを行う
- ポータルサイト(食べログなど)へ登録する
- お店のHPを作る
- テイクアウトを始める
- デリバリーを始める
すぐにできることから始めてみましょう。
たとえばSNSでの発信はすぐにできますよね。
お店の前に看板を置くことも効果ありますよ。
手書きで今日のおすすめメニューなんて書いてあると気になりますよね。
看板は入り口が通りから離れたお店や2階にあるお店は効果ありますよ。
今すぐにできることもありますのでまずは始めてみましょう。
リピート客を増やす方法
リピート客はあなたのお店のことは知っていますので、定期的に来店してもらうためにサービスを向上させることが大切ですよ。
リピート客を増やすためにできること
- 接客向上
- アンケートで改善
あなたのお店に何度も来てくれるお客さんはあなたのお店を気に入っています。
もっと来てくれるためには接客を向上させることが大切です。
そもそもお客さんは気持ちのいい接客を求めてあなたのお店に来ますからね。
出典 ニュースサイト しらべえより
●接客向上
接客を向上させるにはお店全体で取り組むことが大切で、アルバイトへの指導は必須ですよ。
アルバイトへの指導についてくわしく知りたい方は下記の記事で解説していますので参考にどうぞ。
≫ 飲食店のアルバイトが辞めない! お店でできる教育方法はコレ
≫ 飲食店アルバイトに対する接客の指導法【4つの手順で解説します】
●アンケートで改善
アンケートを取ることはリピート客を増やすことにつながります。
あなたが「いいと思っているやっていること」と「お客さんが求めていること」は違うかもです。
お客さんがあなたのお店に望んでいること、改善して欲しいことが分かるのがアンケートです。
アンケートのやり方についてくわしく知りたい方は下記の記事で解説していますので参考にどうぞ。
≫ 飲食店でアンケートを取る必要はある?メリット3選を解説します
まとめ: 飲食店の損益分岐点を下げるには経費を下げ、売上を伸ばすこと
今回は飲食店の損益分岐点について解説しました。
損益分岐点を下げる方法は下記です。
損益分岐点を下げる方法4選
- 固定費を下げる
- 変動費を下げる
- 客単価を上げる
- 客数を増やす
今すぐにできることから始めてみましょう。
行動すれば数字は変わりますよ。
今回は以上です。