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【元店長が指南】飲食店は休みがない理由7選と対策【休暇が取れる店の特徴】

飲食店は休みがない理由

「飲食店って休みないのかな?」
「どうやったら休みは増えるのかな?」
「土日に休める飲食店ってあるのかな?」
困った店長

飲食店の休みって少ないですよね。

この記事を書いているぼくは、飲食店の正社員として15年働き、きつい経験を沢山してきました。

この記事では

  • 飲食店では休みがない理由7選
  • 休みがないときの対処法
  • 休みが取りやすい飲食店の特徴

を解説します。

飲食店はブラックだから週に1回休みがあれば良い方だと思うかもしれませんが、休みを取れる方法はあります。

実際に、ぼくが店長をしていたときは月に8日以上休んだことがあります。

今、休みがなくてもがんばっている人へ対処法を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。



飲食店の休日の現状

飲食店は休みがなくても問題ないの?

飲食店はブラックだから休みがないと言われます。実際には、月にどのくらいの休みがあるのでしょうか?

飲食店は週1休みがあればラッキー

まずは、数字を見てみましょう。

飲食店で働く人の休日日数
引用元 飲食店.COM

上記の表をまとめると、

  • 4日以下が40.3%
  • 5〜6日が40.9%
  • 80%が週1か隔週2日

80%の方が、週に1回くらいしか休みを取っていませんね。やっぱり飲食店は休みが少ないようです。ぼくの経験でもこんなものでしたね。

週1の休みは法的に問題ありません

労働基準法では休みは原則として週に1回与えればいいことになっています。

使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。

引用元: 労働時間・休日 厚生労働省

法的には週1の休みで問題ないですね。4週間で4回の休みがあればOKなので、最大24連勤も許されるということですね。

ぼくなんて、48連勤したことがあります。まあ、これは極端かも知れませんが、飲食店の休みが少ないのは当たり前になっていますね。

他の業種との比較

飲食店は休みが少ないけど、他の業種はどうなのでしょうか?

飲食店は休みがない

引用元: doda

1番休日が多い自動車メーカーでは135日で、飲食店(外食/レストラン)では96日とかなり差がありますね。飲食店の休みは、他の業種と比べても少ないですね。

飲食店は休みがない理由7選

飲食店は休みがない理由

飲食店では休みがないとよく聞くけど、その理由を知らない方もいますよね。

ここでは、飲食店では休みがない理由7選を解説しますので、あなたが勤めている会社でも同じことがないか、確認してみてください。

  1. 休日に会議が入る
  2. 交代要員がいない
  3. 応募が来ない
  4. 早期退職する
  5. 人件費を削る
  6. 店舗の休みがない
  7. 休ませない環境がある

ひとつずつ解説しますね。

1.休日に会議が入る

あなたの休日に会議が入っても出席を求められるので、飲食店では休みが取りづらいです。月に1回会議を行う飲食店は多く、ぼくが勤めていた会社でも月1で会議をしていました。

飲食店には体育会系のノリが強いので、休みだからといって会議に出席しないのは認められないことが多いです。

店舗のシフトは既に決まっていて、人手不足が重なってシフト変更するのはなかなか難しいです。結局、休みなのに会議に出席する羽目になりますね。

2.交代要員がいない

多くの飲食店では人手不足で交代要員がいないので、休みづらい状態になっています。下記の表を見て頂くと分かるように、飲食店は他の業種に比べて人員が足りません。

飲食店は人手不足
引用元: 帝国データバンク

飲食店では、非正社員が84.1%、正社員が65.9%不足しています。非正社員とはアルバイトのことで、かなり足りない状況であると読み取れます。

飲食店の人員体制は、少ない正社員と多くのアルバイトで構成されています。あなたが休もうとしたら、アルバイトだけで営業する必要があります。

でも、アルバイトが足りないので、社員は休めませんね。

しかもアルバイトが急に休んだら、交代要員がいないので社員が入らざるを得ません。休みがないのにその上休日も出勤を求められると、キツいですね。

3.応募が来ない

飲食店はキツい仕事だと思われていて応募が来ないので、休みを取りにくい状況です。キツいと思われる内容は下記です。

  • 給料が安い
  • 休みが少ない
  • 長時間働く
  • 立って仕事する


ぼくも経験してきたように、飲食店には休みがなく長時間労働が続くので、応募がなかなかありませんね。応募が来ないので、経営者は困っていますね。


ぼくが店長をしていたときには毎月募集をかけていましたが、応募はありませんでした。募集をかけても応募がなければ、休めませんね。

4.早期退職する

飲食店では、入社してもすぐに辞める人が多いです。早期退職につながる原因は、ミスマッチです。
飲食店の離職率
引用元: 外食・中食産業における働き方の現状と課題について(農林水産省 食料産業局)

ミスマッチとは、会社と応募者が求めている仕事にズレがあることです。聞いていたのと違うということですね。ミスマッチが起きやすい内容は、下記です。

  • 仕事量
  • 仕事内容
  • 職場の雰囲気

飲食店でミスマッチが起こるのは、人員不足だからです。とにかく人手が欲しいので、十分に仕事内容などを説明せずに入社させてしまいます。すぐに辞められると、休みは取れませんね。

飲食店を希望している方は、面接などで十分に仕事内容などを確認しておくことが大切ですよ。

5.人件費を削る

予算を達成させるために人件費を削るので、飲食店では休みが取りづらいです。

飲食店では毎月、会社から降りてくる予算が決められています。予算を達成させるために売上や経費の管理は、社員の仕事です。

経費は売上に対する割合になっているので、計画より売上実績が落ちると、アルバイトのシフト調整を行います。

調整とは、アルバイトのシフトを減らして社員がその代わりを埋めるというものです。

実際にぼくは、予算達成が厳しい月は自分の休みを減らして人件費の調整をしていました。

経費管理ができないと、上司からツッコミが入りますし、ボーナスにも影響します。飲食店はなかなか休めないですね。

6.店舗の休みがない

競合店にお客様を取られないように年中無休にしているため、飲食店では休みが取りづらくなります。

定休日があると、お客様を他店に取られるかもしれませんし、食材がロスになって経費が余計にかかる場合もあります。定休日はお店の利益にならないので、年中無休で営業している飲食店がたくさんあります。

しかし、その分店舗で働く社員にしわ寄せがきます。もし毎週月曜日が定休日なら最低でも週1の休みは確保できるし、もう1日休みが取れれば週2回は休めます。

とはいえ、会社が決めることですから、定休日がないと社員はキツいですね。

7.休ませない環境がある

上司が休ませようとしない環境があるので、飲食店では休めません。

「今は大変だけど、昇格すれば楽になるよ」と、休みなくガムシャラに働いてマネージャーに昇進した成功体験があるので、上司は部下に休みなく働くように勧めます。

「有休を取らせてほしい」とぼくが上司に相談したら「有休は退職するときに取るものだ」と、言われた衝撃は今も忘れられません。

周りの理解が得られないと、なかなか休めませんね。

飲食店で休みがないときの対処法2選

飲食店で休みが取れる職場を探す方法

「飲食店は長時間労働だし休みが少ないので、キツいな」と感じている人が多いですよね。

飲食店でも休みを取る方法はありますよ。その方法を2つご紹介しますので、ぼくの経験をお話ししますので、ぜひ試してみてください。

  1. ヘルプを依頼する
  2. 休みが取れる会社へ転職する

ぼくが実践したことなので、できることをやって休みを取りましょう。それでは解説しますね。

1.ヘルプを依頼する

自店だけでは難しい場合、他店へヘルプ依頼すると休みが取れますよ。

自店だけでは休みが取れないときは、近隣店舗へ連絡して助けてもらいましょう。できれば社員が来てくれると、安心して休めますね。

休めないのは一部の店舗だけで、しっかり休んでいる社員はいますよ。ヘルプ依頼はすぐにできるので、休めなくて困っている人はぜひ試してみてください。

2.休みが取れる会社へ転職する

色々試してみたけどうまくいかないなら、休みが取れる企業への転職を検討しましょう。

飲食店にもしっかり休暇をとらせてくれる企業はあるので、転職も検討してみてください。

飲食店は楽しかったですが、休みが取れなくなったのでぼくは飲食店から今勤めているマンション管理会社へ転職しました。休みがなくてつらいままガマンせずに、気持ちよく働ける環境へ飛び込んでみるのも良いでしょう。

飲食店から他の業種へ行く方法については下記の記事で詳しく解説していますので、異業種への転職を考えている人は下記の記事を参考にしてみてください。

飲食店からの転職は失敗する?【異業種でも活かせる飲食店のスキル】を読む

休みを取りやすい飲食店の特徴は?

休みが取りやすい飲食店の特徴

「飲食店で働き続けたいけど、やっぱり休みが少ないのはキツい」と感じている人は多いでしょう。

ここでは、飲食店でも休みが取りやすい会社の特徴を解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

週末が定休日の飲食店

土日が定休日の飲食店で勤務すれば、休みを取りやすいですね。土日が定休日の飲食店は下記です。

  • オフィス街の飲食店
  • 社内食堂
  • 学校給食

オフィス街の飲食店は近くにある企業をターゲットにしているので、平日のランチ時間が1番の書き入れ時です。土日は需要が減るので、定休日にする飲食店があります。

社内食堂や学校給食もオフィス街と同じです。会社が土日休みの社内食堂なら休みを取りやすいです。学校は土日休みで給食がないので、週末休めますね。

ご紹介したものは一般的にイメージする飲食店とは異なるかもしれません。とはいえ、食べ物を提供する仕事がしたいし、土日に休みたいと考えている方にはおすすめの職場ですよ。

ワークライフバランスに取り組んでいる飲食店

飲食店の中には、仕事以外の時間を大切にする会社があります。長時間労働をさせないと決めていたり、有休取得を推進していたりする企業なら休みが取りやすいです。

ワークライフバランスとは、2007年に政府と労使の間で作られたものです。

飲食店では人手不足が続き店舗を存続させるのが厳しくなってきているので、他社との差別化として社員が働きやすい環境を提供して退社しないように動いている企業があります。

ワークライフバランスに取り組んでいる企業の一例は下記です。

ケンタッキーフライドチキン(KFC)では、日時限定社員という制度があります。正社員として週に20時間ほどのみ働くだけでも店長に昇進可能なシステムです。子育てや介護で忙しい方にピッタリですね。

中華料理を展開する浜木綿では、社内で他店へのヘルプ要員を抱えているので、最大10連休が可能です。

焼き鳥のくふ楽などを展開するKUURAKUでは、誕生日休暇や結婚記念日休暇など社員の家族を大切にする仕組みを設けています。

働く側もワークライフバランスを求めています。飲食店転職サイトを運営するクックビズが2020年に510名に行った仕事を続ける上で求めることのアンケート結果は、下記の通りです。

飲食店で求められること

  1. 仕事とプライベートのバランスが取れる
  2. 自分が持つ能力や専門性が発揮できる
  3. 職場の仲間と協力し、目標を達成できる

引用元: 飲食業界で働くやりがいアンケートを実施!ポイントはワーク・ライフ・バランス(クックビズ)

働く人はワークライフバランスを求めています。また、企業はワークライフバランスに取り組まないと、選んでもらえない時代になってきていますね。

休みがなくてつらいなら、あなたを大切にしてくれる企業で働きましょう。

まとめ 飲食店で休みがないのは今後変わらないので自分に合った進路を選ぼう

飲食店で休みを取るためにできること

今回は、飲食店に休みがない理由について解説しました。休みがない理由7選は下記です。

  1. 休日に会議が入る
  2. 交代要員がいない
  3. 応募が来ない
  4. 早期退職する
  5. 人件費を削る
  6. 店舗の休みがない
  7. 休ませない環境がある

飲食店は人手不足の代表格ですが、楽しい所はあります。だからぼくは15年飲食で働きました。

しかし、休みが取れないのはキツかったので転職する道を選びました。ぼくみたいに苦しい部分が強い方は転職を検討するのも良いと思います。

大切なのは自分が楽しいと感じるかキツいと感じるか、自分に合った職種を選ぶのが重要です。

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フジユウ

ブロガー・Webライター
20年以上のサラリーマン経験から不自由さを感じ、選択できる楽しさを目指し発信しています。
新車営業マン・飲食店店長・マンション管理員と、さまざまな職種を経験してきました。
これまでの経験がお役に立てば、うれしいです。

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