どうやって原価を改善したらいいのかな?
こんな疑問にお答えします
この記事の内容
- 飲食店の棚卸しって何?
- 飲食店では棚卸しが大切な理由
- 棚卸しのやり方とポイント
- 棚卸しをすると何が分かる?
- 原価の改善方法5選
この記事の信頼性
ぼくのこれまでの経験を交えて解説します。
この記事では飲食店の棚卸しと原価の改善方法について解説します。
原価の改善方法が分かるので実践すればお店の経営が安定しますよ。
この記事は3分でサクッと読むことができます。
飲食店の棚卸しって何?
飲食店の棚卸しはお店にある食材などの在庫の実数を調べて記録することです。
棚卸しはお店にある材料・食材・仕掛品・未製品・製品・商品など調理する前の原材料から仕込み中や出来上がっているがまだ店頭に出していない商品まで販売前の全ての材料・商品の数量や金額を数えます。
つまり在庫管理ということですね。
在庫を調べたら原価を計算します。
飲食店の棚卸しは月に1回、月末に行います。
飲食店では棚卸しが大切な理由
飲食店では棚卸しをすることは大切です。
その理由は下記です。
棚卸しが大切な理由
- よく出る食材が分かる
- 在庫が多い食材が分かる
- 原価が分かる
よく出る食材が分かる
棚卸しをするとよく出る食材が分かります。
よく出る食材は在庫が少なかったり、無くなったりしますね。
食材がなくなれば「商品」が作れなくなります。
棚卸しをすることで商品が作れなくなることを防げますね。
在庫が多い食材が分かる
棚卸しをすると在庫が多い食材が分かります。
つまり余っている食材が分かります。
余っているのが分かるのでその食材はあまり発注する必要がないと分かります。
在庫が多いということはあまり人気がないメニューに使っていることもありますよね。
棚卸しをすることで人気のないメニューを今後どうするかも検討できますよ。
原価が分かる
棚卸しをすると原価が分かります。
原価は人件費とならぶ飲食店の大きな経費なので管理は大切ですよ。
原価の計算方法は下記です。
原価率の計算方法は下記です。
原価の良し悪しは経営に大きな影響を与えます。
原価の目安は30%ですが、業態によって異なります。
業態 | 目安の原価率 |
焼肉 | 40% |
ラーメン | 30〜35% |
居酒屋 | 28〜35% |
ファストフード | 20% |
レストラン | 25〜29% |
カフェ | 25〜36% |
棚卸しをして原価率を把握することは飲食店の経営にとってとても大切ですよ。
棚卸しのやり方とポイント
飲食店の棚卸しにはいろいろなやり方があります。
棚卸しのやり方
棚卸しのやり方とは下記です。
- 個別法
- 先入先出法
- 総平均法
- 移動平均法
- 最終仕入原価法
- 売価還元法
一般的には最終仕入れ原価法で棚卸しを行います。
食材によっては1ヶ月の間に価格が変わるものあります。
最終仕入れ原価法は月末の価格で棚卸しをするというものです。
もちろんあなたのお店に合うやり方でOKです。
やり方は色々ありますが、棚卸しをすることが大切ですからね。
棚卸しのポイント
棚卸しをするときのポイントは下記です。
- 棚卸しの頻度
- 廃棄を少なくするコツ
棚卸しの頻度
棚卸しは月に1回は行いましょう。
棚卸しをしないと原価がわからないからです。
原価がわからないと黒字なのか赤字なのかが分かりません。
もちろん月に1回でなく週に1回すると原価の改善スピードが上がりますよ。
廃棄を少なくするためのコツ
廃棄を少なくするコツは下記です。
- 使い切れる分だけを仕込む
- 先出し先入れ
使い切れる分だけを仕込めば廃棄になることはありません。
たとえば1袋まるまる仕込むのでなく使う分だけ仕込めば廃棄は減らせますよ。
先出し先入れをすれば、期限の迫った食材を残すことはなくなります。
食材が納品されて冷蔵庫に入れるときは食材の期限を確認しましょう。
棚卸しをすると何が分かる?
棚卸しをすると下記のことが分かります。
棚卸しをすると分かること
- 粗利益が分かる
- 今月までに改善できる方法がわかる
粗利益が分かる
棚卸しをすると粗利益が分かります。
粗利益は売上から原価を引いたものです。
粗利益からその他の経費を引いたものが利益となります。
飲食店は商品を提供してはじめて利益がでます。
粗利益は利益を出すための大元の指標になりますよ。
今月までに改善できる方法がわかる
棚卸しを月末ではなく月中にすれば今月までに改善できる方法が分かります。
たとえば月半ばで棚卸しをして原価が悪かったとします。
原価が悪い原因は下記でした。
- 廃棄食材が多い
- ポーションがオーバーしている
月末までにこれらの悪い点が改善できます。
棚卸しをこまめにすることで原価の改善スピードが上がって経営状態が安定しますよ。
原価の改善方法5選
原価の改善方法5選は下記です。
原価の改善方法5選
- 在庫管理
- 歩留まり
- ロス管理
- 検量
- 毎週棚卸しをする
1.在庫管理
原価を改善する方法は在庫管理をすることです。
在庫管理ができると棚卸しをするときに楽に、しかも数え間違えがなくなります。
冷蔵庫の中が食材がパンパンでは原価を改善するのはむずかしいですよ。
棚卸しをするときに正確に数えるのがむずかしいからです。
改善するポイントはそれぞれの食材の置く場所を決めることです。
食材の置く場所を決めれば棚卸しのときに数えまちがいをすることがなくなりますよ。
2.歩留まり
歩留まりを改善すると原価が改善できます。
歩留まりは食材として使うことができる割合のことです。
数字が高いほど良いです。
例えば肉や魚はあぶら身や骨があって食材で使えない部分があります。
この場合の歩留まりは90%ということになります。
歩留まりはさばく人によって変わります。
アルバイトに任せるときは十分に指導してから任せましょう。
でないと、その分だけ原価が上がりますよ。
3.ロス管理
食材の廃棄=ロスをなくすことで原価を改善できます。
ロスが多ければ原価が上がるからです。
まずよくロスになる食材からロスを「ゼロ」に近づけましょう。
使い切れる分だけ仕込めば改善できます。
たくさんの食材に対して取り組むのではなく1つの食材から順に改善していきましょう。
4.検量
検量することで原価を改善することができます。
決まった量で提供し続けるということは原価が安定するからです。
たとえばカレーのルーはレシピでは250gなのに毎回300gで提供し続けていたら原価は上がりますよね。
だったら毎回250gより少ない量で提供していけば原価がよくなると思うかもです。
原価はよくなりますが、お客さんの満足度が下がりますよ。
たとえば原価が悪くなったので以前より量を減らしたとします。
「なんか損した気分だな」
お客さんがこんなことを感じたら、あなたのお店にこれからも来ようとは思わないですよね。
なので検量して毎回一定量で提供して原価を安定させましょう。
5.毎週棚卸しをする
毎週棚卸しを行うことで原価を適時知ることができます。
どこが問題なのかが分かると当月中に改善できますからね。
とはいえ毎週棚卸しをするのは大変ですよね。
毎週がキツいなら2週に1回でもやってみましょう。
特に原価が悪いときはこまめに棚卸しをしましょう。
月末にだけ棚卸しをすると今月はもう結果がでているので改善できるのは来月になってしまいます。
原価の改善方法についてくわしく知りたい方は下記の記事で解説していますので参考にどうぞ。
≫ 飲食店での原価の計算方法と改善策5選【飲食経験15年の僕が解説】
今回は飲食店の棚卸しについて解説しました。
棚卸しをして原価を改善しましょう。
原価が改善できるとお店の経営が安定しますよ。
今回は以上です。